そろばんと公文との併用についてのお話です。
「公文 そろばん どっち」で検索をするのは、どちらか選んで習おうという方々でしょうから心配無用です。比較した良い情報がたくさんあると思いますので、それらを参考に選んでいただければ良いかと思います。
問題は「どっちも」です。両方を習おうとする方が少なからずいらっしゃいます。
結論を先に書きますと、そろばんを視野に入れている場合、公文は国語と英語でご利用ください。算数を選択肢に入れるのは暗算段位を取ってからが無難です。
そろばんと公文ですと、多くの教室では公文のほうが早く始められます。その際、将来的にそろばんを始めるのが確定している方は、国語と英語の選択のみにとどまっていただきたいのです。計算という同じカテゴリであるし、数字を書く練習がそろばんの準備になって良いと思われるかもしれませんが、そこをぐっと堪えてください。
「8+7=?」の問題を例に取ります。
そろばん式暗算では、1玉3つ下げて隣の位に10を入れます。人差し指と親指を動かしながら頭の中のそろばんを弾くのです。出来上がった15を答えに書きます。指を動かさないまま「わかるから」という理由で15と書いてしまうと、頭の中のそろばんが育ちません。ですので「指を動かしてね」という指導が入ります。
公文の計算では、すぐに15と書きます。答えの15を頭の中のデータベースからいかに早く引き出すか。15とすぐに書くことで集中力も備わってきます。ですので「わかるならすぐに書いてね」という指導が入ります。そろばんの指使い動作は無駄な動きとしか映らないでしょう。
この2つを両方同時に習った場合、相乗効果が期待できるかどうか。どちらかと言えば、効果が相殺されているとしか感じません。むしろ、どちらの先生の言うことを聞けばよいのか混乱するでしょう。器用にこなせる生徒がいたとしてもその器用さが育つのみで、本来の目的ではないはずです。
暗算も段位程度まで上達すれば、すでに頭の中にそろばんが出来上がっているといえます。そこから算数を選択しても頭の中のそろばんが崩れることはありません。段位以上の取得後にして欲しいのはそういう理由からです。
沖縄県はそろばん王国で、強豪校がたくさんあります。Twitterでのお友達に沖縄県の先生がいるのですが、お子様が公文式に通われているとのこと。公文も盛んな地域らしいです。そろばんの先生が公文をどのように利用されているか興味ありませんか。
聞いてみたところ、小1ぐらいから国語と英語で利用されているそうです。そのお子様はそろばん界で優秀な選手として活躍されております。公文を国語と英語に絞って利用する分に関しては、そろばんの上達を妨げないと確信した次第です。
以上、両方に通いたい方の参考になればと思います。